生活クラブと聞くと、「良い素材を使っているから割高」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
オーガニック食材など素材にこだわりを持つ商品を扱うスーパーなどは、一般的に商品単価が高く、高級な印象があります。
一方で生活クラブは生協(生活協同組合)の一つ。
組合員が共同購入することによって、食材の単価を下げ、安く購入しようという意図で作られた集団でもあります。
つまり、生活クラブで扱っている食材は比較的リーズナブルな価格で手に入るという事になります。
生活クラブの商品は、お手頃価格なのか?それともやっぱり割高なのか?
実際の料金について検証してみたいと思います。
生協って何?生活クラブの運営形態についておさらい!
料金の検証の前に、まずは生活クラブの運営形態についておさらいしておきましょう。
生活クラブは、日本に数多くある生協の一つです。
生活クラブは食材を自宅まで宅配してくれるサービスがあるので、ネットスーパーの一つというイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、生活クラブに加入するということは組合員の一人になって一緒に組織を運営していくという意味になります。
そのため、生活クラブに加入すると、一人(一家族)当たり毎月1,000円の出資金が必要になります。
これはあくまで出資金なので、退会する場合はそれまで積み立ててきた合計額が全額戻ってきます。
この一人ひとりの組合員からの出資金を事業資金として、生活クラブは運営されています。
生活クラブでは、取り扱う商品は消費材と呼ばれています。
これは、商品を作るのも買うのも組合員自らが行っているからです。
また、パンフレットの制作や配達なども組合員が担当しています。
商品を企画するのも届けるのも買うのも、皆同じ立場に立っているという考え方です。
生活クラブの消費材代・料金や送料を大手ネットスーパーと比較
生活クラブの消費材の代金
生活クラブの消費材の中で、価格の目安になるものを何種類かご紹介します。それらをイオンのネットスーパーの価格と比較してみます。
卵1パック10個入りを比較
自然光の入る鶏舎で育った国産鶏から生まれた卵で、飼料にも配慮された生活クラブこだわりの消費材です。
飼料に着色料が添加されていないので、黄身の色はレモン色。
生活クラブ | 248円 |
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イオンネットスーパー | 198~298円 |
イオンネットスーパーは、数種類の卵を取り扱っているので、高いものから安いものまで金額にはばらつきがあります。
生活クラブの卵は、安くもなく高くもないという感じでしょうか。
食の安全にこだわっているのに、普通の卵と値段にそれほど差がないというのは驚きです。
低温殺菌牛乳、900ml/本で比較
牛乳の美味しさを最大限保ちつつ必要な殺菌を施す製法で作られたパスチャライズト(低温殺菌)牛乳です。
通常の高温短時間殺菌の牛乳に比べ、風味が残り飲みやすいと言われています。
また、低温殺菌に加えて乳脂肪の均質化処理(ホモジナイズド)をしていない「ノンホモ牛乳」も同じ値段です。
生活クラブでは900mlで245円(税別)、イオンネットスーパーでは、1000mlの低温殺菌牛乳で268円。
生活クラブと同じ900mlに換算すると241.2円です。
生活クラブ | 245円 |
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イオンネットスーパー | 241.2円 |
ほとんど差がないと言っても良いと思います。
一方、低温殺菌ではない牛乳はイオンネットスーパーで1000mlのものが162~218円(税別)です。ノンホモ牛乳の販売は見当たりません。
パスチャライズドにこだわるなら、ほとんど差はなし。
ノンホモ牛乳を飲みたいなら、比較対象がありません。
パスチャライズドにこだわらなければ、当たり前かもしれませんが市販商品の方が安いです。
豚肉切り落とし300gで比較
生活クラブが扱うのは、平田牧場というの広々とした豚舎でのんびりストレスなく育った三元豚。
飼料や豚舎にもこだわり、手をかけてじっくりと育てられています。
そんな安全面への取り組みは、質が高く味わい深い豚肉としても高く評価されるようになり、今では平田牧場の三元豚はブランド豚として有名です。
- 平田牧場から直接購入する場合、200gで604円(税込み)
- 生活クラブと共同購入によって、200gで555円(税込み)
ブランド豚でも共同購入することによって、生活クラブでは比較的安く手に入るという事がわかります。
一方、イオンネットスーパーなどで販売されている一般的な豚肉の相場は、100g当たり税込み170円(300g当たり税別472円)程。
生活クラブ | 555円 |
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イオンネットスーパー | 472円 |
こちらも牛乳同様に、品質にこだわらなければスーパーのものの方が断然お安い価格だという事が分かります。
ファンが多い!国産ブレンドなたね油角缶1650gを比較
生活クラブの消費材の中でも、ファンが多いのがなたね油です。
揚げ物をした時のさっぱりとした後味が人気を呼んでいます。
一般的な植物性油の精製には、化学合成食品添加物が使われることが多いのですが、生活クラブの油は化学合成食品添加物を一切使用せず、遺伝子組み換えをしていないなたねの一番絞りの油だけで作られています。
同じように遺伝子組み換えをしていないなたね油をネット通販で探してみたところ、平田純正菜種油一番搾り(1250g)が990円(税別)。
生活クラブのものと同じ1650g当たりに換算してみると、1306.8円となり、生活クラブの「国産ブレンドなたね油」は1022円(税別)なので、生活クラブの方がお得だという事が分かります。
イオンネットスーパーで購入できるなたね油はなく、サラダ油やキャノーラ油など1300gで398円(税別)の値段で販売されています。
ネット通販 | 1306.8円(1650g) |
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生活クラブ | 1022円(1650g) |
イオンネットスーパー | 398円(1300g) |
こちらも豚肉同様に、品質を取るか、価格を取るか消費者の考え方によって値段が大きく変わってくる商品と言えます。
少し複雑でわかりにくい……気になる送料
生活クラブには「個別配送」「班配送」「デポー」の三種類の利用方法があります。
個別配送 | ひとりひとりに配送 |
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班配送 | 数人で班を作って、班ごとの配送 |
デポー | 小店舗のこと。お店に行ってお買い物に行く |
ここでは、通常のネットスーパーのように自宅へ配達してくれる「個別配送」の送料について書いていきます。
個別配送の料金は、その地域によって異なります。
私は神奈川県に住んでいますが、ここでは一定金額以上の購入で配送料無料となっています。
送料(個別システム手数料と呼ばれています。)が必要なのは、1回(1週間に1回)の注文で2,000円未満のときです。
注文し忘れなどで全く配送が無かった場合でも個別システム手数料がかかります。
しかし、妊娠中や乳幼児がいる家庭は利用金額に関わらず個別システム手数料が免除されるという特典をつけてくれる地域もあります。
各地域での個別システム手数料の取り決めについては、こちらのリンクから確認できます。↓
その他の毎月かかっている商品以外の料金
出資金…毎月1000円
冒頭の「生協って何?生活クラブの運営形態について」で書いた通り、生活クラブは加入者が組合員となって自ら運営していく仕組みを取っています。
その運営のためのベースとなるのが各自が出し合う出資金です。
毎月1000円お財布からは出ていきますが、実際は積み立て貯金のようなもの。退会する時には、加入時からの出資金の合計額が返金されるので、料金というと語弊があるかもしれません。
パルシステムなどの生協では、出資金は入会時のみ。
毎月出資金がかかるのは生活クラブ独自です。
退会時に全額返って来るのはかなり嬉しいですよね~!
「生活と自治」購読料…毎月100円
生活クラブが発行している「生活と自治」の購読料として月々100円の支払いが必要になります。
購読の有無は選択できず、毎月必ず支払う必要のある料金です。
エッコロたすけあい制度の掛金…毎月 100円
子供の一時預かりなど、生活の中でちょっとした助け合いのサービスです。加入は任意となっていますが、消費材の盗難などの保障もあり、入っている方が多いようです。
まち活動費…各地域によって異なります。
私が所属する地域では、「コモンズ運営費」として月々150円の料金を支払っています。
以上あわせると、商品代金以外に毎月最低でも1,400円くらいはかかると思っているといいですよ。
1ヶ月で生活クラブにかかる料金は2~3万円くらい~4人家族の我が家の場合~
食欲旺盛な未就学児2人を持つ我が家では、生活クラブの利用料金は月々2~3万円です。
毎週大体5000円から8000円程度の注文をしているイメージです。
毎回必ず注文するのは、鶏卵2パックと豚肉や鶏肉などを数パックです。これで大体2000~3000円は使っていると思います。
その他、重量感のある野菜や調味料、冷凍食材などで必要なものだけを選んでいます。
油や調味料などを購入する月は比較的高めになります。
葉物野菜や魚などは地元のスーパーで鮮度の良いものを買っています。
スーパーと併用しているからこの値段でおさまっていますが、生活クラブだけで揃えるとエンゲル係数は高くなりそうです。
食費を節約するポイントは、生活クラブだけで買い物をしない。ということですね。
生活クラブをお得に!加入中の主婦が教える食費節約術2つ
必要なものだけ生活クラブで購入して、食費を節約
生活クラブのカタログには美味しそうな食材がずらりと並びます。
自宅まで配送してもらえるという便利さから、ついつい注文しすぎてしまいそうになります。
「生活クラブの消費材代・料金や送料を大手ネットスーパーと比較」で書いたように、生活クラブの食材はその品質の割にはリーズナブルな価格だという事がわかりました。
一方で、商品によっては、品質にこだわらなければ市販品の方がぐんと安い事もわかりました。
一つ一つの食材の食べる量や頻度、また品質の差などから、必要なものだけを必要な分購入するという方法で賢く買い物できると良いですね。
また、その週の献立をなんとなくイメージしながら注文することで、買い過ぎる事のないように気を付けています。
実際に配達された食材を見て、献立をすぐにイメージできるので、家事の時短にもなります。
調味料や油などは大切に使い切る
ケチャップやマヨネーズ、なたね油などは、生活クラブの消費材の中でも特にこだわりの強い食材です。
また日常的に使用頻度の高い食材であることから、我が家では生活クラブの消費材を常備しています。
品質も良いので、値段も市販品に比べると割高です。
そこで、少々ケチくさいですが、大切に使うようにしています。みなさんも、安いものって簡単にポイってできるけど、高かったものって大事にしませんか?
容器に残っている物をさらえたら、1回分残ってた~!
なんて、ちょっとラッキーって感じで使い切る楽しみもあります。
生活クラブの料金は高いけど、安心してお買い物ができる
食品の安全性は、目に見えません。
添加物や遺伝子組み換え食材が身体にどんな影響を及ぼし、それがどんな結果になるのかは、まだ具体的にわかっていません。
その目に見えない部分にどれくらいのお金をかけるかというのは、人それぞれ考え方が違うでしょう。
我が家を含め、生活クラブに加入している人たちに共通している考え方は、安心と情報にお金を支払うという考え方ではないかと感じます。
そういった意味では、十分満足のいく価格設定だと感じます。
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